入校した自動車教習所で全ての教習・試験を終えると、晴れて自動車教習所を卒業となります。しかし、自動車教習所を卒業しても、即日免許を取得できるわけではありません。「じゃあ、卒業した後はどうすればいいの?」と疑問に思う方も多いはず。この記事では、自動車教習所を卒業後、免許が交付されるまでの流れをご説明していきたいと思います。
卒業後はどうすればいいの?
冒頭でお話した通り、自動車教習所を無事に卒業できても、その場で運転免許が交付されるわけではありません。卒業後は、ご自身の住民票が登録されている都道府県の免許センターで「本免許試験」と呼ばれる最後の試験を受験する必要があるのです。自動車教習所を卒業する際、「卒業証明書」というものが発行されますが、この卒業証明書は言わば本免許試験の受験資格ということになります。
試験会場で本免許試験
本免許試験はご自身の住民票が登録されている都道府県の免許センターでのみ受験することができます。卒業時、自動車教習所からも必ず案内されると思いますが、念のためご自身が試験を受けることになる免許センターを調べておくと安心でしょう。
卒業後は早めの受験を
卒業証明書の有効期間は、発行から1年と定められています。そのため、発行されてから1年間の間は自由に本免許試験を受験することができます。ただし、有効期限を過ぎてしまうと受験資格を失ってしまう他、再発行もできないため、卒業後は早々に本免許試験を受験することをおススメします。
本免許試験は一部の免許センターを除いて、基本的には平日のみです。試験自体は午前・午後の2回に分けて実施されます。ここで注意しておきたいのは受付時間です。多くの場合、午前の試験は8:30~9:15頃まで、午後の試験は9:30~11:40分頃までと、受付時間が決められていますが、混み合うこともあるようです。免許センターがお住まいから遠方ですと、せっかく苦労して足を運んだのに受付時間に間に合わず、受験できなかったなんて事にならないよう、試験当日は早めに自宅を出発するようにしましょうね。
本免許試験持ち物
本免許試験を受験するには、いくつか必要な持ち物があります。忘れてしまうと、当日に受験することができなくなってしまうので、必ず事前準備と事前のチェックをしておきましょう。本免許試験の受験に必要な持ち物は以下の通りです。
本籍記載の住民票(外国籍の方は国籍の記載のあるもの)
本籍または国籍(外国籍の方の場合)記載の住民票が必要なります。マイナンバーの記載は必要ありません。住民票はお住まいの地域の役所などで交付を受けることができます。また、本人確認書類に記載された住所と一致している必要がありますので注意してください。
本人確認書類
免許センターの受付で提示することになります。健康保険証やパスポート、写真付きのマイナンバーカード、すでに原動付き自転車などの免許を取得していればそれら免許でも本人確認ができます。前述の通り、いずれの身分証明書も住民票記載の住所と一致している必要があります。
卒業証明書
自動車教習所を卒業した際に発行される卒業証明を提出する必要があります。受験資格を得るための書類ですので、受験までは無くさないよう大切に保管しておきましょう。もし、卒業証明書を紛失してしまうと教習を受けた自動車教習所で新たに再発行してもらわなければなりません。
仮免許証
本免許試験合格後、運転免許証の交付を受ける際に仮免許証の返却を求められます。試験合格後、運転免許証と引き換えに返却しますので、こちらも卒業証明書と一緒に保管しておくと良いでしょう。
証明写真(任意)
免許証で使用される写真は、合格後に現地で撮影してもらうか、またはご自身で持ち込んだものを使用してもらうかのどちらかを選ぶことができます。現地で撮影してもらう場合は、撮り直しができず、写真写りが悪かったとしてもそのまま運転免許証に使用されてしまう一方、自分で用意する写真であれば何度でも撮り直しができます。また、現地での撮影する必要がない分、運転免許証の交付が早いなどのメリットもあります。ただし、使用できる写真には規定があり、縦3cm・2.4cm且つ6ヶ月以内撮影したもののみ有効です。その他にも身に付けられないものや背景の色などにも指定があるので、撮影をする前に免許センターへ確認しておきましょう。また、証明写真は写真店などにお願いすれば、これらの規定に沿って撮影してくれます。
受験料・手数料
AT・MT問わず、本免許試験の受験料(収入印紙代)として1,750円、合格後の免許交付時に2,050円の交付手数料がかかりますので、これらの分の現金を持参していきましょう。
試験当日の流れ
本免許試験の当日は、大まかに以下のように進みます。受付から交付までにかかる時間は当日の混雑状況や免許センターによっても異なりますので、一例としてご紹介いたします。
8:30~9:00頃 受付
免許センターに到着後、まずは受付を済ませましょう。案内に従って、受験に必要な申請書への記入や必要書類の提出、受験料1,750円の支払いを行います。また、証明写真を持ち込む場合は併せて受付で提出します。
9:00頃~9:20頃 適正検査
自動車教習所の入校時と同様、適性検査が行われます。免許センターでの適性検査は視力検査になります。
9:30頃~10:20頃 学科試験
適正検査が終わると、いよいよ運転免許取得のための本免許試験へ。自動車教習所を卒業していれば技能試験は免除されるので、試験は学科試験のみです。試験時間50分間で、マークシート形式で問題が出題されます。合格ラインは100点中90点と高く設定されているため、不合格になってしまうということも珍しくはありません。事前に学んだことを復習しつつ、当日はあまり緊張しすぎないようリラックスして臨むようにしましょうね。
11:00頃~11:30頃 合格発表
試験終了後は合否の発表まで時間がありますので、その間はロビーなどでしばらく待機する形になります。採点が終わり次第、会場の電光掲示板などで合否の発表がされます。試験に合格していれば、交付についての説明を受けたのち、運転免許証の交付の手続きに移ります。万が一、不合格となってしまった場合でも後日再受験することが可能です。
11:30頃~13:00頃 交付手数料の支払いと写真撮影
試験合格後、運転免許を交付してもらうにあたり交付手数料を支払います。前述の通り、2,050円の交付手数料が掛かりますので受付にて支払いましょう。手数料を支払ったあとは、会場で運転免許証に使用する写真を撮影し、交付手続きは全て終了です。また、予め撮影した写真を持参している場合、写真撮影は省略されます。運転免許証が交付されるまでの間は自由時間となりますので、その間に昼食などを取っておきましょう。
13:00頃~ 免許証交付
お昼を過ぎた13:00頃から順次運転免許証が交付されていきます。運転免許証の受け取りは、仮免許証と引き換えです。
おわりに
自動車教習所を卒業した後も、油断は禁物!本免許試験は運転免許証を取得するための最後の山場です。落ち着いて試験に臨んで、運転免許証を手にしましょうね!